![]() ![]() いびきの主な原因は肥満、とりわけ舌の肥大です。やせた人でも睡眠時無呼吸 症候群になる患者さんがいますが、お口の中は舌の肥大が特徴的にみられます。 舌が大きくなったため、以前は口を開けば見えていた口蓋垂(のどちんこ)が見えなかったり、見え難くなったります。仰向けに寝れば重力によって舌はその重みによって気道を塞ぎ込み、狭窄または閉塞が起きますので、いびきや呼吸停止につながるのです。 ![]() ![]() いびきと肥満には密接な関係があります。太っていると、軟口蓋や咽頭壁などにもぜい 肉がついているため、首の太さに比べて気道が狭くなっています。舌も厚みを増して肥大 しているので、寝たときにはいっそう気道をふさぐことになってしまいます。 しかも、太っている人は普通の人より酸素をたくさん必要とするので、多くの空気を吸 おうとして呼吸が深くなり、余計に空気抵抗が大きくなって、いびきをかきやすくなります。 ![]() 下あごが小さかったり後退したりしていると、舌を支えているスペースも小さいので、仰向けに寝た時に舌がのどの奥に沈みこむ確率が高くなります。これが、気道を狭くする原因になっています。 ![]() ![]() 決して、首が太いから気道も太いわけではありません。俗に猪首といわれる、首が太くて短い人は、肥満体型の人と同じで気道に脂肪がついていることが多く、いびきをかきやすいタイプです。 ![]() 外見からではわかりませんが、のどの奥の口蓋扁桃やアデノイド(咽頭扁桃)が肥大している人は、気道がふさがれて狭められています。子どものいびきの場合には、これが原因でかくことが多くなっています。 ![]() ![]() 軟口蓋の中央にある口蓋垂(のどちんこ)が舌に届くほど長い人、またその左右の口蓋 弓間の距離が短い人は、咽頭がもともと狭いので、気道が確保しにくく、いびきをかきやすくなります。 ![]() 鼻筋が曲がっている鼻中隔攣曲症や慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄のう症)などの鼻疾患のある人、だんご鼻の人などは十分な鼻呼吸ができず、鼻腔で強い抵抗が起こり、鼻翼が振動していびきになります。 ![]() いびきをかきやすい人には、体型などにいくつかの特徴があります。 ![]() ![]() いびきをかきやすくなる時は? ![]() 体型にかかわらず、生活習慣などがいびきをかく原因になっていることはよくあります。また、 普段は全くいびきをかかない人でも、ちょっとしたことが引き金になることがあります。 ![]() 口呼吸癖のある人はいびきをかきやすく、口を開けて眠る人も同様です。口を開けているときのほうが、口を閉じているときよりも気道が狭くなってしまいます。 あごを引いたり手を上げたりして寝る体勢は、首が圧迫されて気道がふさがれてしまい、いびきをかきやすくなります。その他、枕が高過ぎたりベッドマットの腰の部分がへこんでいたりすると、同様の現象が起きるので、よくありません。 ![]() 年をとると次第に筋肉が緩み、筋力がなくなっていきます。上気道を十分に開けておくための筋肉である上気道筋も例外ではありません。若いころにはいびきをかかなかったのに、中年以降になってからいびきをかくようになったという話をよく聞きますが、これも老化の一種で、上気道筋の活動が低下することによっていびきが起こりやすくなります。 ![]() 体が疲れていると、無意識のうちにより多くの酸素を体内に取り入れようとして、口で大きく呼吸していたりします。このときに軟口蓋が激しく振動するため、いびきが起こります。 ストレスがたまっている場合も、分泌物がたくさん出たり、あるいは逆に粘膜が乾燥したり充血したりして、気道が通常と異なる状態になっていびきが起こりやすくなります。 ![]() 普段はいびきをかかないのに、アルコールを飲んだ日の夜は高いびき、という方も多いのではないでしょうか。アルコールや睡眠薬・鎮静薬を飲んだあとは、その影響で筋肉の緊張が緩み、気道が狭められるのです。加えて、必要な酸素を確保しようとして口呼吸をすることが多く、いびきの誘因になっています。 ![]() 鼻やのどに、前述した鼻中隔攣曲症のような気道をふさいでしまう異常があると、いびきをかきやすくなります。こうした異常には、ほかに蓄のう症やアレルギー性鼻炎、咽頭炎、口のなかの炎症などがあります。 また、高血圧や糖尿病、心臓病などの疾患、内分泌異常がある場合、咬合不正や歯列不正などのあごの形態異常などもいびきの原因になります。 |